シャドウバースなどのお話

twitterでの長文回避用ブログ

氷獄の王・サタンについて思うこと。

頻繁に氷獄の王・サタン(以下サタン)ナーフ希望の声を見ますが、それほどにサタンは壊れているのでしょうか?最初にわたしの意見を言わせていただきますと、一点を除いては適正なカードだと思っています。

 

9PPで出して次のターンから本格的に攻撃を開始するというのは、シャドバのフィニッシャーとしてはそこまで強いわけでもないと思っています。
例えば、手札に他のフォロワーを揃える必要がありますが、ジンジャーの方が防御力も決定力も高いかもしれません。ギガントキマイラであれば9PPを支払った時点で大抵ゲームを終わらせますし、セラフは8で置いて処理されなければ9で終わらせます。回った超越やスパルタクスはもっと酷いです。

 

9コスト以上のカードには他にも強力なものが多数あり、シャドバにおいてこのコスト帯のカードにはゲームを終わらせにいく役割を求められます。
サタンも同様で、9コストで置いて高確率で勝利できるデザインは失敗であったとは思いません。逆に9コストで(デッキを変化させること以外は)バニラのカードを置かされて、その変化後のデッキが高確率で勝利をもたらす強力なものでないならば、採用する価値がありません。
サタンはセラフのようなカードだと思ってください。基本的に置いたら勝つように設計されているカードなのです。しかし相手には僅かにチャンスが与えられている分、他の特殊勝利カードよりは情け深いカードと言えるかもしれません。
コキュートスカードが強すぎるというのはおかしな批判で、普通にデッキに入れられるカードでもないのだから良いのです。それを使って勝てるカード群でなければ利用価値が無くなるのです。セラフの効果が「50%の確率で勝利する」であったら使用されるでしょうか?

 

では何がいけないのかというと、もう皆さんもお気づきかと思いますが、ドラゴンというクラスで使えることです。
例えばジンジャーやセラフなら先攻9(後攻8)ターン目まで攻める機会があります。しかし現在のドラゴンでは6、7ターン目に普通に出てきます。
ビショップが託宣やアイラを持っていて、セラフやイージスが6ターン目に出てきたらどうなるでしょうか。それが今のドラゴンで起こっていることです。

シャドバでは9コスト以降のカードはゲームを終わらせる設計であることも多い。しかしドラゴンは他のクラスより先に9PPに達してしまう。したがってドラゴンのフィニッシャーの設計は他のクラスと同じというわけにはいかないはず。しかしサタンはニュートラルカードである。ここが失敗かと思います。

 

サタンに調整を加えるならば、ファンファーレの起動を9ターン目以降に制限するのが個人的には好ましいと思います。
10コストにしてほしいとの意見もありますが、10では他クラスが使うには重くなり、実用性が低くなります。9コストというのは他クラスでの実用性を加味して考えられた数値だと思っています。
また、コキュートスカードの弱体化も他クラスでの実用性が低下します。回復カードを削除したりして巻き返せなくなれば、サタンは紙切れになってしまいます。
ドラゴンが悪用しなければ、今後コントロールデッキの適正なフィニッシャーとして活躍の機会があるかもしれません。それを使えないカードに変更して潰してしまうのは個人的には非常に勿体無く感じます。

 

pick視点でナーフしてほしいという意見もありますが、これには猛反対です。pickでのバランスを重視するとカードのデザインの幅が制限されて構築で楽しいカードが生まれる機会が減ります。
pickを重視するプレイヤーがいるのは構いませんが、それによって構築の楽しさを減らす声は上げないでほしいです。pickで出現しないようにしてほしいという意見であれば分かります。声を上げるならそういう意見にしてほしいです。

 

話はサタンから変わりますが、ドラゴンが高コストニュートラルカードを使用するとバランスが悪くなるという問題は以前から指摘されています。サハクィエルイスラーフィール、バハムート等ですね。これらのカードもサタン同様、他のクラスが使用するのであればそれほど問題ないと思っています。

 

よくメンコと表現されて頭の悪いカードのように言われるバハムートですが、よくよく考えるとそう悪いカードではありません。
シャドバでは土地カードのようなものがなく、毎ターンそれなりに盤面やライフに影響を与えるカードを引くことができます、それに加えて毎ターンPPの増加が見込めるため、デッキをそれなりに重くすることができます。
毎ターンPP最大値通りのコストのカードを出していけば手札を減らさず戦線を維持でき、全体除去を受けてのリカバリーもそれほど難しくはありません。
コントロールデッキ側から見るとテミスのようなカードで除去をしても相手のリソースは尽きず、再展開できるのも相手側からなので、また同じく苦しい盤面で返ってくることも多いです。
遅い除去寄りのデッキが反撃に転ずるためには、1ターン耐えられそうな隙に試合を決められるフィニッシャーを設置するか、除去とフォロワー設置を同時に行うようなカードが必要になってきます。
バハムートはその役割に相応しいカードで、除去と同時に巨大フォロワーの処理を押し付けることで攻守を逆転させることができます。10PPまで耐えたコントロール側に反撃の機会を与えることで、コントロールデッキの成立を助けるカードです。

 

しかしこれもドラゴンさんに悪用されてしまいます。とにかくPP加速に集中し、それまでのツケを一枚で支払うカードとして。
バハムートもビショップやヴァンパイア等の遅いデッキでの採用であれば(アミュレット戦略を否定する部分以外は)そこまで酷いカードでも無かったと思います。

 

この失敗を繰り返さないために主張すべきことは、サタンのナーフではなく、強力なニュートラルカードに関して使用ターンの制限を設けることであると、わたしは考えます。


まあ今のドラゴンは皆が訴えるほどは壊れてはおらず、アイラが落ちてPP加速性能も落ちれば多少落ち着くのではないかと思っているので、個人的には強くナーフを希望するカードは無いのですが、サタンナーフ案とかツイートしてる人でちょっと的外れに感じる意見を多く見たので、ナーフするとしてもそこではなくないですか?という意味で書かせていただきました。